電気の話
突然の電気の話。日本の電源周波数についての説明を求められたが、大雑把にしか把握していなかったため、調べなおしてここにまとめておく。直流・交流の話はおまけ程度。
日本の電源周波数
おおまかに、西日本と東日本で電源周波数が違う。
そもそも、周波数とは?
周波数とは、1秒間に繰り返す波の数である。直流の場合は電圧の大きさは一定だが、交流では電圧が大きくなったり小さくなったりする。50Hzの場合は、1秒間に50回の波(山と谷のセットで1回)があるということ。
直流と交流?
乾電池から流れる電気は直流である。プラスからマイナスへの一方向にしか電流が流れない。一方、家庭用のコンセントから流れる交流電流は、電流の流れる向きが変化する。直流電流の電圧は一定だが(消耗すると当然減る)、交流電流の電圧は時間に対して周期的に電圧が変化する。
コンセントから交流電流が流れて来ても、家庭にある電気機器は直流で動作するものも多い。そのため、交流を直流に変換する必要がある。
発電所から家庭まで直流で届ければそのまま使えるじゃん、と思うが、交流の大きな利点として、変圧が容易であることが挙げられる。高電圧で送られてきた電気を、家庭でそれぞれの機器に応じた電圧に変換することができるのだ。しかし直流では変圧が容易ではないため、コストが大きくかかる。らしい。
また、交流では電圧がプラス・マイナスが周期的に変化しているため、電圧の遮断が容易である。0V付近で遮断すれば、電気機器に与える影響が少ないらしい。でも遮断することってそんなにあるんだろうか?直流での遮断ではそんなに影響が大きいのだろうか?
直流・交流の利点欠点は下記のページに詳細がまとまっている。
https://electric-facilities.jp/denki1/souden.html
なぜ東西で電源周波数が違うのか?
日本では明治時代から電気が使われるようになった。関東では初めは直流で送電していたが、交流への送電をすることに変更した。その際、ドイツから50Hzの発電機を輸入してきた。一方、西日本では最初から交流での送電を決定し、その際にアメリカから60Hzの発電機を輸入してきた。
それぞれの発電機での送電が普及していった結果、東西で別の発電機を使用することになり、電源周波数が違うという事態になった。
世界的に見ても、1つの国で周波数が混在しているのは珍しい。周波数をどちらかに統一しようという動きもあったが、うまくいかなかったようで、現在でも東西で電源周波数は異なっている。
東西で引っ越す際の家電は買い替える必要があるか?
現在は、家電にはほぼインバータ(電源周波数を変換する装置)が入っているため、買い替える必要はないものが多い、らしい。私自身は東西をまたぐ引っ越しをしたことがないので気にしたことはない。
おまけの話
家庭には交流で電気が来ているため、実は蛍光灯の光はチカチカしている。上で述べたように、1秒間に50~60回(50~60Hz)で電圧が変動しており、0Vを経由する瞬間には蛍光灯は消えている。しかしチカチカが早く、人間の目では消えている瞬間を認識できないため、蛍光灯は点いたままのように見えている。
(という実験を工学部時代にやったことを思い出した…。)
参考サイト