書き殴りクソブログ

頭よわよわ

「子どもへのまなざし」を読んで

近年、「毒親」という言葉をよく聞く。客観的に見たらどうかはわからないが、私は、自分の親は毒親であったと思う。

 

私の人生において、必ず達成しなければいけないことは「実家を脱出すること」であった。そのうえで、もし可能であれば結婚して子どもを持ちたいと考えていた。

幸いにも相手がいて子どもに恵まれることができたが、はて、どのように子どもとかかわっていったらいいのか、本当に私が育児などできるのだろうか、自分がした嫌な思いを子どもにさせることになってしまうのではないか....等、育児にあたり色々な悩みがあった。

私は、何かいい助言はないかと2ちゃんねるをうろうろしていたのだが、そこで紹介されていたこの本の評判が良かったので、購入して読んでみた。

  

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子どもへのまなざし [ 佐々木正美 ]
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児童精神科医が書いている本だ。

 

読んだ内容のまとめや、考えたことを記載しておく。

 

乳幼児期は大切な時期である

・例えば、高校や大学にはいくつになっても通うことができる。大きくなってからのことはいくらでもやり直しがきく。しかし人格の基礎となる乳幼児期をやり直すことはできないため、この乳幼児期が人生においてとても重要な時期である。

育児不安

・夫とのコミュニケーションがとれていたり、夫が育児に協力してくれる場合、母親は育児に不安を感じにくくなる。

・人間は孤独を避ける生き物だが、近年は地域社会がなくなってきて人間関係が希薄になってきている。その結果、人やもの(アルコールやショッピングなど)に依存する人が増える。子どもに依存する親は、子どもを自分の思い通りにすることで安心しようとする。

人と育ちあう育児

・育児不安のある母親は、周囲との関係がうまくいっていない。

・子どもに対して不足に思っている親は、同じように子どもからも不足に思われている。あなたはありのままでいいと言いながら、親のやるべきことをやっていればいい。

こんな気持ちで子育てを

・教育や育児というのは「待つ」ということだ。色々なことが見について発達してくるのをゆっくり待ってあげる。その姿勢が、子どもを信頼しているという気持ちとして子どもに伝わる。

・人間には、受容、承認されることが必要だ。その経験がない場合、早い時期にすごい恋愛に陥ったり、友達ができにくくなったりする。子どもが大きくなってからでも、必要なだけ十分受け入れてあげる。

・欠点のある子には長所もある。苦手なことを克服するより、得意なことに熱中させるほうがいい。

・子どもは親を信じているから反抗をする。

生命との出会い

・妊娠中につらい体験や思いをした母親の子どもは、集中力がないなど問題を示すことが多い。

・出生後、早い時期から母子を一緒にしておくのがいい。新生児室で面倒を見られているか、母親がすぐに見ているかで、その後の母親の育児機能に影響がある。

乳児期に人を信頼できると子どもは順調に育つ

・赤ちゃんが望んだことは満たしてあげる。要求が満たされるという体験をし続けた赤ちゃんは、自身がはぐくまれる。泣いても相手をしてもらえなかった赤ちゃんは、数日で泣かなくなるが、それは忍耐強いということではなく、逆に困難に対してすぐにギブアップをしているだけである。

子どもの望んだことを満たしてあげる

・ソーシャル・レファレシングという言葉がある。見守ってくれる大人がいて、どうすればいいのかを教えてくれるという過程を通して育つ感情や感性のことだ。

・ソーシャル・レファレシングは生後6か月から2歳ころまでに育つ。

・過保護と過干渉は違う。過保護というのは、子どもが望んだことをそのとおりにやってあげる、やりすぎるくらいやってあげること。過干渉というのは、子どもが望まないことをやらせすぎること。過干渉は子供の自主性をなくす。

幼児期は自立へのステップの時期

・幼児期にいたずらをどれくらい十分にさせてあげられるかが、創造力や自発性を育てる鍵となる。

しつけは繰り返し教えること、そして待つこと

・例えば、トイレトレーニングなどで、ここでうんちをしましょうと伝える。上手にそれができるようになるまで待っててあげるからね、その時期は自分で決めていいよ、という気持ちで待つことが大切。「出るまで座ってなさい」というやり方は、他律であり、よくない。

思いやりは身近な人とともに育つ

・子どもの中に思いやりを育てるのは親である。子どもは親をお手本にして育つ。

・子どもは親の言うことは聞かないが、親のしていることは学び、まねる。

・思いやりとは、喜びや悲しみを共有できる、共感の気持ちである。

お母さんへ、お父さんへ

・夫婦の関係がよければ、子どもを自分の思い通りにしようとはしない。

・家で駄々をこねられない子が、外で聴衆を味方につけて駄々をこねるということも多い。家で、その子が望むことをしてあげることが大切。

・仕事で疲れて帰ってくるのは親の勝手で、子どもが願っていることではない。疲れているからそんなこというな、自分でやりなさいというのはよくない。

・親の希望通りのことをする子どもに喜ぶのではなく、子どもの笑顔や喜ぶ姿に喜びを感じる親であってほしい。

 

感想

・忙しい時ほど、子どもが何かをするのを待つというのは難しいと思うが、できるだけ待ってあげようと思った。忙しいというのは親の勝手だ。

・子どもは親を見て育つから、口であれこれいうのではなく、行動で示したい。

・仲の良い夫婦でありたい。

・子どもが甘えてきたときはたくさん受け止めてあげたい。

ドラえもんの、のび太結婚前夜で、しずかちゃんのパパがしずかちゃんに「のび太は人の喜びや悲しみを共に感じられる人だ」というようなことを言う。最近Twitterでも、「これは当たり前のことだと思っていたが、実は難しい」というような内容でつぶやいていた人がいた。共感力のある人というのは世の中にはそう多くないのだろうと思った。